少し長くなりますがお付き合いください。スマイルふくろうプロジェクトを始めたのは、福島県浪江町のみなさんが暮らす仮設住宅を訪ねたことがきっかけでした。自分たちで工夫されて作られたかわいいふくろうを、おばちゃんたちがとても愛おしそうに見せてくれました。
あの、震災による原発事故からもうすぐ5年。未だに家に帰れず、先の見通しも立たず、狭い仮設住宅に暮らしている。それどころか今度はまた復興住宅に引越しで一から暮らしを作らなくてはならない人々がこんなにたくさんいるなんて…。目の当たりにすると、壮絶な光景でした。
想像してみてください。明日、いまあなたがいる場所を出て行けと言われる。どこに行くかもわからず、数カ所の避難所をバスであちこち連れ回される。ペットも置いて行けと言われる。レコードもダメ。楽器もダメ。暮らしぶりは一転してしまったまま、5年経つのです。。。。仮設から学校行ったまま、中学を終え大学に進学する子たちもいるわけですよ!自分に置き換えるとどれだけ長い時間であることか。。。

5年だから節目だから、ということではありません。今年は、もっと、被災地のみなさんに寄り添える事をしようと心に決めました。自分がだけでなく、私の周囲にいらっしゃる皆さんにも、それを共感してもらおうと。この気持ちは「甦る」という避難者のみなさんが作った日本酒を飲むことでも、毎年お願してきて、これまでもたくさんの方が、飲んでくれています。ありがとうございます。

日本酒は飲んだら終わってしまう。だから、今年は手元におけるものでずっと感じてもらいたかった。この、なみえの、おばちゃんたちが作ったふくろうは、手のひらに乗る大きさです。ふわふわしていて、辛いことや悲しい事があった時、ギュッと握ると、とても心が落ち着く手触りです。このふくろうのお守りをみんなに届けて、労苦を被災地の人と共有してもらおうと思いました。
 

ふくろうのお守りを手にすることで、仮設に住む皆さんに思いを馳せて欲しい。寄り添って欲しい。想像して欲しい。今、日本中で一番必要なことは、自分だったらどうだろうか。。。と、相手の気持ちになって「考える」ことではないかと思います。

そのためには自分の意思で、行動をしないといけない。そのアイコンとして、ふくろうを持っていただきたいと思いました。

世の中に、もっと素敵なものはたくさん溢れています。100円ショップに行けばもっと安くて可愛いものが買えるかもしれません。でも、そういうことじゃない。自分の大事なお金を何に使うのか、そういうことだと思います。売上は、すべてなみえの、みなさんの手元に届けます。このプロジェクトは直接支援です。大した金額にはなりません。それで復興の何かにつながる額ではありません。そういうことじゃないのです。自分たちのことを思ってくれた方が、直接、何人いる!という実感を、仮設のみなさんに届けたいのです。

ありがたいことに、賛同してくださる方がたくさんいて、多くのお店で販売してくれたり、友達や親類に配ってくださっています。 ぜひ、お近くで見かけたら、購入していただきたいです。お店のリストは後ほど掲載します。このふくろうちゃん、すべて柄が違うのです。お気に入りの子に会えますように! 

浪江見に