palavasのブログ

タグ:甦る

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東日本大震災で津波の被害にあい、仕込んだばかりのお酒だけでなく、江戸時代から続く酒蔵も住居もすべて流されてしまった鈴木酒造店。
その後原発事で長きにわたる避難生活を余儀なくされました。もう、酒造りをやめようと思っていたところに、山形県長井市に、酒蔵の空きがあるという話がお酒造りの仲間から舞い込みました。現在のご当主のご両親、ご自身の妻子、一緒に酒造りを行ってきた弟さんの妻子と、一家で長井市に移り住み、蔵を再興することになりました。ほんとうに並大抵のことではなかったと思います。

長井市には、福島から小さい子供さんをつれて避難している方がたくさんいました。不安とやり切れない不満、そして、慣れない土地での暮らしは本当に大変だったことでしょう。でも、長井では、このできごとを自分事としてとらえ、避難している方々に生活と心のサポートを、惜しみなく与える方がたくさんいらっしゃいました。これは長井は「レインボープラン」という循環型農業の取り組みが続いている環境問題を重視した町であったこと、そして、黒獅子の里、長井は、志士の住む町であり、舟運で栄えた町は外からの皆さんを受け入れもてなす力があったことも影響していると私は思います。


長引く避難生活。不安と戸惑いがつづくなか、ひとつのプロジェクトがたちあがりました。避難者と受けいれの長井市民が協働で米作をつくり、長井で蔵を再建した鈴木酒造さんで酒造りをしよう、というものです。酒米には当地に伝わる今では作る人がとても少なくなってしまった「さわのはな」という品種が選ばれました。

長井で以前販売されもうなくなってしまったブランド名「甦る」がお酒の名前として選ばれました。復活させた米で、酒造りを復活させ、自分たちも新しい生き方へ転換する。更に生きるとかいて「甦る」。避難者と市民が協同して作るお酒にこれ以上の名前はない、ふさわしい名前でした。

最初田植えが2012年。その冬にみんなで仕込み、2013年3月11日に初リリース。その後毎年、3月11日に発売されています。

いまでは、福島の方長井の方だけでなく、全国から田植えや稲刈りに集まって来られて、文字通り皆があたらしい生き方に「甦る」酒となっています。

思いやりと心意気の輪は限りなく、をテーマに仕込まれているこのお酒。さすが銘醸、鈴木酒造の仕込みだけあって、きよらかでとてもうまい酒です。

 

今年も、3月11日にリリースされます。特別なお酒なので町のスーパーで手に入るというわけにはいきませんが、販売店のリストも鈴木酒造店さんが掲載してくれていますので、お問合せください。

 

·        原材料:米・米麹

·        原料米:長井産さわのはな100%

·        精米歩合:55%

·        アルコール度数:15度

売り上げの一部は、原発事故による避難児童・生徒の支援活動をしている団体、学校、教育委員会に寄付されています。

 http://www.iw-kotobuki.co.jp/products/yomigaeru_01.html

 

そして、今年2018年の3月11日、あたらしい動きとして、「甦る」 という歌ができあがり、お酒の交流会の場で発表されます。

この甦るプロジェクトをけん引してきた、村田さんの想いを、長井の名物夜のスナックで聞いたシンガーソングライター伊東和哉君が、曲にしました。自身も福島出身で3.11で被災し避難所生活を余儀なくされた彼。福島のことだけでなく、すべての人がふるさとを思う気持ちを曲にしました。
この曲の趣旨に賛同してくれた福島ゆかりのアーティストがさらに曲を仕上げています。
作詞作曲・歌:伊東和哉、サックス・フルート:加藤雄一郎、ギター・サウンドプロデュース:上野哲生、映像制作:坂本博紀 と、福島のアーディストの力が集結しています。さらに、ここに新たな力が加わる予定です。
いつかCD化するときはライナーノーツは福島のあの人に、帯にはあの方のひとことを・・・とか、妄想しています。

甦る は、お酒づくりだけでなく、お菓子屋さんやお肉やさんなど、いろいろなお仕事の方がメンバーとしてかかわっている、ラベルの絵のように人と人とをつなぐ酒です。日本の心がひとつになる。そんなお酒であると思っています。

 

みなさんも 甦る をまんなかにおいて、時間を過ごしてみませんか?

 

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さて、今回の旅のメインイベント、長井市の中央にある中央会館2階大宴会場で、五蔵会の蔵元杜氏さんが自慢の酒を持ち寄り、ともに飲み、語らう大宴会が行われました。
蔵元杜氏さんができたての酒を持ってきてくれることもそうそうないし、また、一緒に酒を酌み交わすなんてほんとうにできない!五蔵会ならではの企画です。五蔵会、についてはこちら。
https://www.facebook.com/okitama.gokurakai/

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大宴会は、この日はじめて山形にきた、という某有名ホテルのフランス人シェフの乾杯から始まります。いきなりのご指名をしっかり日本語でこなす、さすがのシェフ。
フランスでスキーを楽しんでいたというシェフ。山形でスキーができるよ!という言葉につられてきたのですが、山形の食と、酒、そして人にすっかり魅了されていた様子です。

トップ画像でわかるように、五つの蔵がそれぞれ2種ずつ、自慢の酒をもってきてくれます。にごりあり。市販されていない酒あり!それはもうお宝がずらり!

今回は地元山形県長井市のみなさん、いわきから鈴木さんのドキュメンタリーを取材している方(鎌倉の会でもお会いしました)、福島や東京の皆さんと、各地から酒を求めて集まっていたので、みなさん混ざった座席配置にしてもらいました。お酒があれば初対面でも関係ないですね。27540285_1576916742384285_6329094926823786444_n27655411_1576916812384278_583258902328897028_n
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今回、お酒にあわせて地元の料理をたくさん出していただきました。
舟運送で商業の町としても栄えた長井に近江商人が持ち込んだという高菜漬け。
赤身がうまい蔵王牛のステーキ。
地元名産の行者菜を入れたソーセージ。長井といえば、とケンミンショーにも出た味噌もち。
この時期ならではの寒鱈鍋。などなど、地元料理のオンパレードと、地元の酒を合わせることができたのが最高でした。(写真なくてすみません。お持ちのかしてほしいです=)美人女将の裕子さんが一つ一つ丁寧に説明してくれました。
これだけの料理と酒、なので、否応無しに
盛り上がる盛り上がる!

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初めてフランス人を見た、と喜ぶ、中央会館の若いお嬢さんも、盛り上がる。

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車座になって飲み、

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この日が初対面だった子供達も盛り上がり。東京で再会する約束をし、

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上垣監督の映画の主題歌「川谷の笑顔〜flower」のお披露目あり。お誕生日のお祝いあり。

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長井の華、裕子さんを囲んで。この日も素敵でした!


そして、長井名物、スナックのカラオケへ。ここはラーメンが美味しいスナックでもあります。
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27654498_1576919945717298_1285257988572084080_n新たな友情も芽生え

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東北人同士の熱い思いを確認しあいながら、

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初対面の女子同士も盛り上がるのでした。
この日の会がきっかけで、鈴木酒造 長井蔵で復興・転換のシンボルとして作られた日本酒「甦る」の歌を作ることが決定。福島ゆかりのミュージシャンが終結して制作され、3.11にここ長井で
お披露目されることが決まりました。

そしていよいよ、最終日に続きます。











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